マネーライター:加藤隆二(銀行員ライター)のブログ

銀行員です。マネー全般ライティングをしています。

新入社員の皆さんへ:そろそろ疲れが出ていませんか?

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金融機関に入社された今年の新入社員の皆さん、希望に胸を膨らませて入社したのも束の間、そろそろ日々の業務や人間関係で悩んだり、疲れたりしていませんか?

新しい環境でのスタートは、誰もが期待と不安が入り混じるものです。特に金融機関という専門性の高い業界では、覚えることも多く、プレッシャーを感じる場面も少なくないでしょう。私も若い頃は、新しいことを学ぶ楽しさと同時に、壁にぶつかっては「自分には向いていないのかも…」と落ち込むことも多々ありました。

悩むのは当たり前

「もしかして自分だけ?」と不安に思う必要はありません。この時期に悩んだり、少し心が疲れてしまうのはごく自然なことです。初めての社会人生活、覚えることの多さ、人間関係、そして将来への漠然とした不安…。これらが重なり、心身ともに疲弊してしまうことは誰にでも起こりうることなのです。

気軽に話してみませんか?

もし、あなたが今、誰かに話を聞いてほしい、アドバイスが欲しいと感じているなら、私に相談してみませんか?

私はこれまで金融業界で長年経験を積んできました。皆さんの親と同じか、それよりも少し上の世代かもしれませんが、若手の皆さんの「背中を押したい」という純粋な気持ちから、無料で相談に乗らせていただきたいと考えています。

もちろん、私が皆さんの悩みを全て解決できるわけではないかもしれません。しかし、話を聞くだけでも気持ちが楽になることもありますし、これまでの経験から何かしらのヒントを提供できることもあるでしょう。

「なぜ無料で?」 と疑問に思う方もいるかもしれませんね。それは単純に、金融業界で育ってきた私にとって、皆さんのような若い世代が健やかに成長し、活躍してくれることが何よりも嬉しいからです。まるで自分の子供を見守るような気持ちで、皆さんの成長を応援したいと思っています。

仕事のこと、人間関係のこと、将来のこと、どんな些細なことでも構いません。匿名でも大丈夫です。誰にも言えずに抱え込んでいることがあれば、ぜひ一度、私にメッセージを送ってみてください。

皆さんの連絡を心よりお待ちしています。

 

もちろん、疲れたら辞めても良いと思いますよ。

仕事は仕事、人生や命まで削るのはもったいないです。

 

 

 

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【銀行・信金・信組に入った君へ】未来が見えない? ちょっと待って、30年選手の話を聞いてみないか?

 

 

 

 

ちゃおちゅ~るの取り合いをする子猫

 

皆さん、こんにちは。 つい最近まで就職活動に励み、大きな期待と少しの不安を胸に銀行の門を叩いた皆さん。あるいは、入行して数年が経ち、日々の業務に追われる中で「このままでいいのだろうか?」と立ち止まっている皆さん。

私自身、銀行に勤めてかれこれ30年以上になります。バブル経済とその崩壊、金融ビッグバン、リーマンショック、そして近年のフィンテックの台頭… まさに激動の時代を銀行員として駆け抜けてきました。

今日は、そんな私が少しだけ先輩風を吹かせて、皆さんのモヤモヤした気持ちに寄り添えたらと思い、筆を執りました。

「希望を持って入ったけれど、想像していた仕事と違った」 「ノルマや目標達成のプレッシャーが想像以上にキツい」 「毎日同じことの繰り返しで、自分が成長している実感がない」 「銀行の将来性って、本当にあるのだろうか?」 「もっと他に、自分に合う仕事があるんじゃないか?」

…こんな風に感じてしまうことは、決して特別なことではありません。私も若い頃、いや、今でも時々、似たような気持ちになることがあります。特に、皆さんのように社会人としてのキャリアをスタートさせたばかりの頃は、理想と現実のギャップに戸惑うことも多いでしょう。


ベテランからの視点:金融機関で働くということ

確かに、私が入行した頃と今とでは、銀行を取り巻く環境は劇的に変化しました。求められるスキルも、仕事の進め方も大きく変わっています。AIやデジタル化の波は、これからも銀行業務を変革していくでしょう。

しかし、変わらないものもあります。それは、「お金」という、人々の生活や企業の活動に不可欠なものを通じて、社会や経済に貢献するという銀行の基本的な役割です。そして、その根幹にあるのは、お客様との**「信頼」**です。

長い銀行員生活の中で、私は数えきれないほどのお客様と出会い、様々な人生の節目や企業の成長に関わらせていただきました。住宅ローンの相談に乗ってマイホームの夢を応援したり、運転資金の融資を通じて企業のピンチを救ったり、相続の相談を受けて円満な資産承継をお手伝いしたり…

一つ一つの仕事は地味に見えるかもしれません。時には厳しい交渉や、泥臭い努力も必要です。しかし、お客様から「ありがとう」「助かったよ」と言われた時の喜び、そして自分の仕事が誰かの役に立っているという実感は、何物にも代えがたいものです。

 

続けようか迷っているあなたへ

もしあなたが今、「銀行を辞めようか」と考えているなら、少しだけ立ち止まって考えてみてください。

  • 何が一番「つらい」と感じていますか? (業務内容? 人間関係? 将来への不安?)
  • 銀行に入って「良かった」と思えた瞬間は、少しでもありましたか?
  • 今の部署や業務が合わないだけで、他の分野なら興味を持てる可能性はありませんか? (銀行には融資、預金、為替、証券、信託、企画、人事、システムなど、多様な仕事があります)
  • この仕事を通じて、どんなスキルが身についていると思いますか? (金融知識、コミュニケーション能力、交渉力、事務処理能力など、実はポータブルなスキルも多いはずです)

すぐに答えが出なくても構いません。

 

相談に乗ります

もし、一人で考えても堂々巡りになってしまうなら、この道で30年以上飯を食ってきた私に、あなたの話を聞かせてもらえませんか?

もちろん、私のアドバイスが全てではありませんし、「絶対に続けるべきだ」と押し付けるつもりもありません。ただ、長年この業界を見てきた経験から、何かヒントになること、あるいは違う視点を提供できるかもしれません。

  • 「こんなことで悩んでいるなんて、甘いのかな…」 なんて思わないでください。誰しもが通る道です。
  • 「具体的な業務の進め方が分からない」 という悩みでも構いません。
  • 「将来のキャリアパスが描けない」 という漠然とした不安でも大丈夫です。

このブログのコメント欄でも結構ですし、もし可能であれば(ブログの運営方法によりますが)、個別にメッセージをいただく形でも構いません。(※ブログ運営者は、コメント欄を開放するか、別途連絡手段を設けるか検討してください)

 

最後に 

金融マンという仕事は、決して楽なことばかりではありません。しかし、社会的な意義も、自己成長の機会も、そして困難を乗り越えた時の達成感も確かにあります。

あなたの銀行員としてのキャリアが、少しでも納得のいく、実りあるものになるように、ささやかながら応援できればと思っています。

一人で抱え込まず、気軽に声をかけてください。

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銀行員ライターがブログを開設しました 銀行員、信金職員の人の力になりたいです

読者の役に立つ情報を発信したいとライターをしています(銀行の就業規則には反していません)

これから、記事では発信できないいろいろな情報を綴っていきたいと思っています

また猫が好きです。競走馬も好きです(馬券は買いません 走る馬が好きです 唐突ですみません)そちらもボツボツつぶやきますので、興味がある方はぜひご覧になってください

よろしくお願いします!

 

 

 

住宅ローンが払えない時こそ銀行に相談しないと危険

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「住宅ローン 返せない」

こんなキーワードで検索すると、上位に出てくるのはリースバック・リバースモーゲージなど返済が苦しい人の対策などの広告や記事です。また弁護士や司法書士など債務整理のサイトや、競売の解説とそれを防ぐためとして任意売却へ誘導するものです。(リースバック、リバースモーゲージなどについては後述)これらを否定するつもりはありませんが、その前に考えるべき方法があることを銀行員の私はお伝えしたいと考えています。

銀行員からお伝えしたいのは、住宅ローンが払えないときこそ銀行に相談をしてほしいということです。

 

 

 

返済を一時的に減らして苦しい時期を切り抜ける「リスケ」〜売却などの手段はそのあとに考えてもいい

銀行員の私がまず考えてほしいのは、銀行に相談をして返済額を一時的に減らしてもらうことです。

返済を減らすといっても、返済の一部を免除してくれるようなことはあり得ません。具体的には返済期間を延長したり、一時的に返済元金を減らしたりして毎回の返済額を減らす「リスケ」です。

 

リスケとは?

こうした返済の一時的な猶予をリスケと呼びます。

リスケとは「リスケジュール」(Reschedule)の略で、本来は予定を変更するといった意味の言葉です。銀行などでは、住宅ローンや事業資金融資の返済条件を見直すことで、毎回の返済額を減らす対応をリスケと呼んでいます。

 <リスケの例>

  • (例1)3000万円・金利1%の住宅ローン:20年返済・ボーナス返済なし

毎月返済は137,968円⇒これを35年返済に見直すと毎月返済は84,685円

返済額は▲53,283円少なくなる

 

  • (例2)3000万円・金利1%の住宅ローン・20年返済・ボーナス無し

10年経過した時点で毎月返済137,968円の内訳は①元金124,740円+②利息13,228円

このうち利息の13,228円だけを払っていく

返済額は▲124,740円少なくなる

 

返済期間を延長するのは、借金をする時間も延長することになります。また利息だけ払い元金支払いを見送るのは、借金が減らなくなるので、決してメリットばかりではありません。しかし苦しいときは仕方なくこれで切り抜けて、収入が好転するなど返せるようになったら元の状態に戻すのがリスケの考え方です。  

 

リスケで助けを求められたら銀行も断れない

銀行などの金融機関は、住宅ローンを借りている人の返済に関する相談や返済条件の変更(リスケのこと)には、必ず対応をしなければいけません。それは金融庁などの監督官庁から指示されているからで、対応状況も監視されています。そのため住宅ローン返済が苦しいなどと支援を求められた場合は、原則として断ってはいけないことになっています。こうした対応は「金融円滑化への対応状況」など公式HPで公開されています。【参考①】

このように監督官庁が目を光らせているので、銀行など金融機関ではほぼ100%に近い割合でリスケなど住宅ローン返済条件の変更に応じていることが資料からも分かります。【参考②】

参考① 三井住友銀行/弊行の金融円滑化に向けた取り組みについて

https://www.smbc.co.jp/kinyu_enkatsuka/

参考② 金融庁/金融機関における貸付条件の変更等の状況について

https://www.fsa.go.jp/ordinary/coronavirus202001/kashitsuke/2409.pdf

 

リスケは断れない・だから頼まれたくないという銀行の本音

皆さんの中にも、リスケについて知らなかった人はいらっしゃるのではないでしょうか?

このように、銀行など金融機関がリスケを取り扱っていることは、一般にあまり知られていません。それはなぜかというと、住宅ローンでリスケをするのは銀行にとって儲かる仕事ではないからです。

だからということではありませんが、銀行公式HPなどからリスケについて探すのも大変です。銀行員の私だから該当部分を探すことはできますが、一般の方がリスケについて調べたり、銀行HPで相談窓口を探すのもけっこう大変だと思われます。【参考③】もちろん隠しているわけではなく該当箇所はあるのですが、ここまで説明したように断れないけれどできれば頼まれたくないという銀行の本音が見え隠れしていると、銀行員の私は感じています。

 

【参考③】

りそな銀行/住宅ローンのご返済に関するご相談 金融円滑化に向けた取組みについて

https://www.resonabank.co.jp/util/soudan.html

 

金利上昇で返済が増えてもリスケは無理?

ゼロ金利解除から「金利のある世界」となり、いよいよ返済中の変動金利住宅ローンの金利が引上げになります。現在(記事執筆時点:2024年11月29日)は変動金利の利用者宛てに金利引き上げの通知が郵送され、返済が増える人には最新の返済明細も届き始めています。私自身も変動金利住宅ローンの利用者で金利引き上げの通知を受け取っています。今後は2025年の1月頃から返済が増加する人も出てきます。

しかし金利上昇で返済が増えたからという理由だけでリスケを頼んでも、対応してもらうのはむずかしいと思われます。なぜかというと、変動金利金利が上昇した場合は返済額が増えることもある、ということは当然の契約事項だからです。【参考④】

金利が上昇したら返済額が増えるリスクを許容しているからこそ、固定金利より低い金利で住宅ローンの利用ができるという理屈なので、リスケ対応をする理由には該当しないのです。

もちろん全く対応してもらえないというものでもなく、金融機関によって対応は違うと思われます。

しかしもうひとつの理由として、現在の金利引き上げ水準は「+0.15%程度の引き上げ」レベルであり、これによる返済額の増加は必ずしも大きくないと考えられる点もあげられます。

 

  例)5年前に3,000万円・35年返済・変動1.0%で借りた住宅ローンの金利が0.15%上昇した場合

  毎月返済額:金利変更前・84,685円⇒金利引き上げ後・86,454円=返済増加はプラス1769円

 

これはあくまで一例ですが、借入金額や金利水準で違いはあっても、現在の引き上げレベルでは毎月1万円以上は多くなることがないと思われます。そうなると、それだけの支払い増加が住宅ローン返済を破綻させる打撃にはならないと考えるのが、常識的な判断と言えるのです。

 

リスケより他の手段へ〜最近のリスケ状況の変化

また銀行の対応も変化をしています。たとえばコロナ禍などでは、各金融機関も返済相談に対して親身に応じていました。しかしその後の変化で、まず銀行員が顧客と面談する機会が減っています。そのため返済に関する相談も電話やネットでしか受け付けてくれなくなった銀行もあります。ある意味で事務的・機械的に変わってきたとも言えますが、そのため「返済が大変なんです」といった相談をする機会も無く、任意売却などに話が進んでしまうケースも増えているようです。とはいえ、もともと住宅ローンでは、返済の滞納が重なれば担保になっている自宅を強制処分されることもあり得ると、あらかじめ契約書に記載されているのです。むしろこれまでが、監督官庁の指導もあってやさしい対応をしてきただけであって、それが決まりどおりやるようになっただけ、とも表現できるのです。もちろん銀行の対応が急に冷たくなったということではありませんが、これまでのように親身の対応をしてもらえるとは限らないということは覚えておいてください。そして大事なのは、返済のリスケをしてもらえなかったときにどうするか?という点です。

 

まとめ

今回は、住宅ローンが払えない場合にどうしたらいいのか?という疑問に対し、銀行員として、まず銀行に相談をという説明をしてきました。ただし十分な対応をしてもらえないケースも考えられます。そのときの選択肢はいくつかあります。ただし住宅ローンが返せないといったキーワードの記事の中には、結論の部分で「任意売却」「リースバック」「債務整理」などに誘導するものがあります。

私は皆さんに有益な情報を伝えたいと思うだけで、他には意図がありませんのでこれらの説明はしません。しかし関連する記事の中にはそういった誘導や意図が隠れているものもあります。

そのため、住宅ローン返済が苦しくなったとしても決して慌てず、ネットで情報を集めるときもこうした点を意識しながら、考えていく必要もあるのです。

 

 






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住宅ローン繰り上げ返済は実際お得?シミュレーションによる検証とメリット・デメリットを銀行員が徹底解説

 

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住宅ローンを組んでいる皆さん、繰り上げ返済について考えたことはありますか?

「繰り上げ返済はお得って聞くけど、実際どうなの?」

「メリットやデメリット、注意点とかあるのかな?」

そんな疑問をお持ちのあなたへ。この記事では、住宅ローンの繰り上げ返済について、銀行員である筆者が徹底的に解説します。シミュレーションによる効果検証、具体的なメリット・デメリット、注意点などをわかりやすくまとめました。

私は銀行員として日頃から「繰り上げ返済をするべきか?」というお客様の相談に向き合っています。その銀行員が現場から解説します。あなたにとって繰り上げ返済が本当にお得なのかを考えるヒントにしてください。

 

住宅ローン繰り上げ返済・知識のおさらい

まず、住宅ローンの繰り上げ返済に関する基本的な知識をおさらいしておきましょう。

 

住宅ローン繰り上げ返済には2つの方法がある

住宅ローン繰り上げ返済とは、毎月の返済額とは別にまとまったお金を住宅ローンに返済することで、ローンの総返済額を減らし、返済期間を短縮する方法です。例えば、ボーナスや臨時収入があった場合に、それをローンの返済に充てることで将来の負担を軽減することができます。繰り上げ返済を行うことで、住宅ローンの残高を減らし、将来支払う利息を減らすことができます。

 

住宅ローンの繰り上げ返済には2つの方法があります。

  • 返済額軽減型(減らすのは毎回の返済額)
  • 返済期間短縮型(減らすのは返済期間・回数)

 

返済額軽減型(減らすのは毎回の返済額

返済額軽減型は繰り上げ返済の金額分、毎回の返済額を減らす方法です。そのため返済期間は変わりません。

 

返済期間短縮型(減らすのは返済期間

返済期間短縮型は繰り上げ返済の金額分、返済期間(回数)を減らす方法です。そのため毎回の返済額は変わりません。

 

繰り上げ返済の効果~利息を減らす効果が大きいのはどれ?

繰上げ返済では、返済期間短縮型の方が利息を減らす効果が大きく、また少しでも早く繰り上げ返済したほうが利息を減らす効果が大きいと言われています。

これをシミュレーションで比較してみましょう。以下の住宅ローンをモデルとします。

 

モデル例:借入額3,000万円・35年返済ボーナスなし・金利0.5%・毎回返済額77,875 円

◎繰上げ返済なしで最終回まで返済した場合の総支払利息額2,707,500円(*金利変更なしと仮定)



返済期間短縮型と返済額軽減型の比較

例)モデル例で「5年経過したときに、300万円繰り上げ返済した場合」の比較

 

    1. 【返済額期間短縮型の場合】
    2. 残り返済期間 30年→26年4ヶ月 毎回返済額77,875 円→77,875円で変わらず
  • 減少する利息額:452,570 円
    1.  
    2. 【返済額軽減型の場合】
    3. 残り返済期間 30年→30年で変わらず 毎回返済額77,875 円→68,876 円
  • 減少する利息額 230,584 円

 

このように返済額軽減型より返済期間短縮型の方が、減少する利息型は大きいことがわかります。

 

繰り上げ返済するタイミングの比較

例)「5年経過時に300万円繰り上げ返済」と「10年経過時に300万円繰り上げ返済」の比較

 

    1. 5年経過時に300万円繰り上げ返済の場合】
    2. 残り返済期間 30年→26年4ヶ月 
  • 減少する利息額:452,570 円
  •  
    1. 10年経過時に300万円繰り上げ返済の場合】
    2. 残り返済期間 25年→21年5ヶ月 
  • 減少する利息額:368,100 円

 

このように5年経過時の方が10年経過時よりといったように、少しでも早く繰り上げ返済した方が利息が減る効果は大きいことがわかります。

 

2種類の繰り上げ返済方法は、それぞれどんな人に向いているのか?

一般的に返済額軽減型は毎月の返済額を減らしたい人や、将来的に収入が減少することを心配している人に向いています。例えば家計に余裕を持たせたいとか、育児・教育費用の負担が増える時期に備えるためなどに選ばれることが多いものです。

次に返済期間短縮型ですが、こちらは早くローンを完済したい人や、将来の金利上昇リスクを避けたい人に向いています。例えば早く完済することで、その後の旅行や趣味など、他の目的に資金を使いたい場合に適しています。

ただし、どちらが自分に向いているのかは、その人の考えや生活スタイルなどにより様々ですので、最終的には自分が何を目指しているかを重視して決めるべきでしょう。

 

繰り上げ返済か運用か?で銀行員が繰り上げ返済を選ぶ2つの理由

繰り上げ返済を検討する際、「繰り上げ返済と運用、どっちがいいの?」という疑問を持つ方もいるかもしれません。そこで銀行員である私は、基本的に繰り上げ返済をおすすめしています。

その理由は2つあります。

 

理由1.運用よりも、繰り上げ返済の方が確実だと言えるから

運用は、必ずしも利益が出るとは限りませんし、元本割れのリスクもあります。いっぽう繰り上げ返済では確実にお借入残高を減らし、利息を減らすことができます。

 

理由2.繰り上げ返済を希望する人に運用を提案すると、責任が生じるから

お客様が繰り上げ返済を希望されている場合、「運用の方がお得ですよ」と安易に提案することはできません。なぜなら運用にはリスクが伴うため、お客様の状況を十分に理解した上で、慎重に判断する必要があるからです。もちろん、お客様のリスク許容度やライフプランによっては、運用をおすすめする場合もあります。しかし、基本的には、繰り上げ返済を希望される方には、繰り上げ返済をおすすめしています。

住宅ローン繰り上げ返済のメリット、デメリット、注意点

繰り上げ返済には、メリットだけでなく、デメリットや注意点もあります。

 

メリット1.将来までに支払うべき金利が減る

繰り上げ返済を行うことで、住宅ローンの残高が減り、将来支払うべき金利が減ります。

 

メリット2.借金が早く終わることで未来の選択肢が増える

繰り上げ返済によって返済期間が短縮されれば、借金生活から解放される時期が早まります。

これにより、老後資金の準備や、新たな投資など、未来の選択肢が増えます。

 

デメリット1.遅すぎると利息の軽減効果も減ってしまう

繰り上げ返済は、早ければ早いほど効果的です。

返済期間が残りわずかになってから繰り上げ返済を行っても、利息軽減効果は小さくなってしまいます。

 

デメリット2.手数料や違約金など費用が必要な場合もある

金融機関によっては、繰り上げ返済に手数料や違約金がかかる場合があります。

事前に確認しておきましょう。

 

注意点1.住宅ローン控除のメリットを失わないように

住宅ローン減税を受けている場合、繰り上げ返済によって返済期間が10年未満になると、控除が受けられなくなる場合がありますので、注意が必要です。

 

h3:注意点2.団体信用生命保険も考えて決断する

住宅ローンには、団体信用生命保険(団信)が付帯しているのが一般的です。団信は、契約者が死亡した場合、住宅ローンの残債が免除される制度です。繰り上げ返済によって返済期間が短縮されると、万が一の際に団信の保障を受けられる期間が短くなってしまいますので、この点も考慮して、繰り上げ返済のタイミングを決めるようにしましょう。

 

まとめ

住宅ローンの繰り上げ返済は、計画的に行うことで、大きなメリットを得ることができます。

しかし、注意点もありますので、しっかりと理解した上で、ご自身の状況に合わせて判断することが大切です。この記事が、あなたの住宅ローン繰り上げ返済の判断材料になれば幸いです。






銀行員が解説~今だから知って欲しい お金に関わる銀行員がやってはいけないこと

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銀行員が起こす不祥事が大きな問題になっている昨今ですが、いまだからこそ皆さんに知って欲しいことがあります。それは、銀行員がお金に関わるからこそ禁じられていることがあるのです。

今回は銀行員である私が、自分自身をもう一度戒める意味でも解説させていただきます。

 

a.r10.to

 



やってはいけないこと1.自分一人で金融機関になるな!~浮貸し

これは銀行員個人のお金を融資して金利を受取る、というのが一番わかりやすいパターンです。

サイトで浮貸しを検索すると共通するのが「その地位を利用して」「自分あるいは第三者の利益のため」銀行を通さず貸付などをするという点です。

 

【参考①引用】

* 「浮貸し」とは、金融機関の行員がその地位を利用し、自己又は当該金融機関以外の第三者の利益を図るために、金銭の貸付、金銭の貸借の媒介、債務保証をすることをいいます。金融機関の信用を損なう行為であり、出資法により禁止されています。

琉球銀行

「元行員による不祥事件(2021年12月)」の刑事告発ならびに伏在調査における新たな不祥事件の発生のお知らせとお詫びについて|琉球銀行



やろうと思えば銀行員に浮き貸しはカンタン?

やろうと思えば私も浮貸しはできます。ですが、もちろん、絶対にしません!禁止されていますし、絶対にバレます。また浮貸しをするにも協力者(つまり共犯者)が必要になりますが、そこまで他人を信じられません。

過去、浮貸しでは支店長が自分で借り入れた巨額の資金を使って融資の媒介、つまり自分一人で金貸し(金融機関とは表現したくありませんので)になり、手数料として不当に利益を得た事件がありました。

また別の事件では信頼を寄せてくれたお年寄りの預金を他人に貸して(浮貸し)、回収ができなくなり追い詰められた挙げ句そのお年寄りを殺害した銀行員もいました。

人間とは弱いものです、「やろうと思えばできる」と言いましたが、どれだけ金融システムが発達しセキュリティーを強化しても、職員が悪意を持てば浮貸しはできてしまうのです。

 

追い詰められて浮き貸しをしてしまう場合も

また、最近では本来の「自己又は第三者の利益を図る」目的とは違うケースが増えています。

それは相談ごとへの対応放置と隠蔽が原因で、金融機関職員が浮貸しをする事例です。

融資業務の金融マンは相談ごとを常に抱えています。言うまでもなく「お金を貸して!」というものです。

しかしすべてのお客様に融資ができるわけではなく、断わらなければいけない場合も多いのです。

融資を断り切れず、困り果てた職員が自分の預金、あるいは借金をしてウソの融資をする、というケースが特に若い職員で増えています。職員自身は金銭的に何の利益もありません。借金しているなら利息で損しているかも知れません。しかしウソの融資をすることで追い詰められた状況から脱出できたのですから、「金融機関の職員がその地位を利用して、自己の利益を図った」浮貸しになります。

では、なぜ追い詰められるのか?次項で詳しく説明します。



やってはいけないことその2.一人で握りつぶすな!~相談ごとへの対応放置と隠蔽

融資業務に携わる金融マンが融資することができずに、お客様の依頼を断わらなければいけない場合には非常に神経を使います。外部の人には理解しにくいと思いますが、金融マンという人種はサービス業でありながら「お金を貸して!」と頼まれているのです。顧客が頭を下げるサービス業は金融業くらいかも知れませんので、その立場は実に微妙です。

 

仕事の抱え込み~銀行員の場合は「被害」が大きい

言いにくいことなので後回しにしていくと時がたち、事態はどんどん悪くなるばかり。

最初は頼みごとをしているので物腰が柔らかかった顧客も段々といらだってきます。(当然です)

対応が遅れ、一人で抱え込んだ銀行員は「今相談中です」「明日には結論を出します」などとその場を取りつくろう返事を繰り返すばかりで、融資希望の日が近づくといよいよ追い詰められてしまいます。

たとえば「融資証明書」などといったウソの書類を偽造する者や、「浮貸し」に手を染める人間も出てきます。

損害を被った顧客から賠償請求されれば勤務する金融機関も対応に追われることになり、当然ですが本人は懲戒解雇されます。また浮貸しは最悪犯罪になりますし、書類偽造も犯罪になる可能性があります。顧客と金融機関双方から損害賠償請求され、告訴されることもあるので対応放置は危険なことです。

 

ある銀行員の事例

とはいえ金融マンなら誰もが抱える悩みであり、もちろん上手く(あるいは運良く)対処できただけかも知れず、私自身にも苦い記憶、胃が痛くなる嫌な思い出はいくつもありますので、こうした職員を一方的に責めるつもりはありません。

しかし、対応放置と隠蔽は絶対にいけないことです。これからお話しするのは元後輩の例です。

住宅ローンの融資相談を受け、審査が進まずに対応を放置して、建売住宅を申込む日が来ました。

住宅ローン融資を受けられるという証明書が必要になり、後輩は本物の証明用紙に支店長しか押すことができない印鑑を勝手に押してお客様に渡しました。

申込み手続きが進んで家の鍵を受け取る日、お金を振り込まなければなりませんのでお客様が来店されましたが、後輩は固まったまま何も言葉を発することができなくなりました。

ウソの証明書を発行してごまかしましたが、融資はできていないので当然お客様は家を手に入れることができずに大騒ぎとなりました。

しかし、一番不幸なのはもちろんお客様です。後輩のことを信じて迎えた家を受け取る日、普通なら人生の中でも晴れがましく嬉しい一日が最悪の結果になったのです。

後輩は会社を去りました。犯罪に問われることは無かったのですが、私は今でも彼を許すことはできません

 

やってはいけないことその3.金融マンの家計はガラス張り

「客と比べて半分以下の、ウソみたいな低金利で銀行員は住宅ローンを借りている」

「銀行員は社内預金で金利も高い」

「保険会社の社員は、自分の生命保険の配当がものすごく良い」

これはお客様と接してきた中で実際に聞いたことばかりですが、そんなことはありません。

事実はむしろ逆です。

 

住宅ローンはお客様より高金利

たとえば住宅ローンでは、金利ディスカウントなどほとんどありません。お客様のように他の銀行と比べて競争させることなどできるわけがありません。お客様より厳しい条件で住宅ローンを借りている銀行員ばかりです。

中には他の金融機関で住宅ローンを借りる「強者」もいるようですが、これはいずれバレます。クビになることはありませんが、私の勤務する銀行では他で住宅ローンを借りたことがバレた場合、借り換えする(借り換えさせられる?)のがほとんどです。また彼らは出世が遅くなります。金融マンでありながら、ライバルである他社で融資を受ける思考が、会社から見れば「不適格」で、私もその判断は間違っていないと思います。

 

銀行員の家計は「ガラス張り」

上記した住宅ローンは極端な話しですが、金融マンは自分の家計、預貯金、借金などガラス張りでなくてはつとまりません。これは上記した浮貸しや対応放置につながる不祥事の未然防止、という目的で職員のお金に関することは会社が把握していなければ安心できないのです。

銀行員に限らず、証券会社でも保険会社でもお金に関わる仕事に従事する金融マンが犯罪に手を染める理由は、やはりお金がらみが一番多いのも事実です。

 

「金に困って目の前にある金につい手を出してしまった」下世話な表現かも知れませんが、金融マンにはそれができてしまいますし、だから絶対にしてはいけません。

会社から疑われたくなければ、全部見せる覚悟が必要ですし、見られても困らないようにしておくべきです。私は会社からすべて見せろと言われたことはありませんが、隠すほど持っていないのも恥ずかしながら事実ですし、悪いことはしていないと胸を張って言えるので、いつでも見せることができます。

 

【参考②】

三菱UFJ銀行

元行員の不祥事に関する対応状況等について



まとめ

今回は銀行員がやってはいけないことについてお話ししました。皆さんには参考とはならないかも知れません。しかし、皆さんのお金に関わる銀行員の陥るかも知れない闇を知っていただきたくてこの記事を書きました。お金は大事、だからお金は怖い、その事実は変わりません。

 

 

 

 

 

 

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